ニューヨークの大麻業界のレジェンドが、今や合法大麻産業で製品を作り出しています。
2022年、ジョー・マレー氏はカンナビス株とAJ Sour Diesel(エイジェイ・サワーディーゼル)のブランドをニューヨークの大麻栽培業者であるFlowerhouseにライセンスし、2023年11月には合法的に育てられた最初の株がニューヨークの店頭に並びました。
ジョー・マレーはSour Dieselブランドのカンナビスを栽培しつづけた、ブランドのゴッドファーザーとして名を馳せている。職場などにおいても口が悪いことから、愛称は「ジョーのくそ野郎」。
AJ Sour Diesel の起源
1990年代初頭、マレーはセントラルパークやトライベッカの音楽会場のウェットランズで取引していた時期があり、そこで強力なブツを持っているThe Weasel(ザ・ウィーゼル)という名前で知られていたマイケル・クロップ氏と出会いました。
94年の夏、マレーはThe Weaselからもらったカンナビスの中から種を見つけ出し、自宅のアパートでThe Diesel(ザ・ディーゼル)という新たな品種の栽培を始めます。90年代後半から2000年代前半にかけて、The Weaselを含む数々の栽培者が撤退するにもかかわらず、マレーは自分の栽培方法を完成させ、ますます大きなスペースに移動して栽培の規模を拡大していきました。
そんなDieselは、現地の人たちから「ニューヨーカーにより育てられた、ニューヨーカーの品種」と絶賛されてきました。マレー曰く、3ポンド(1.36 kg)の製品を4万5000ドル(およそ500万円)で売ったこともあるのだそうです。
Sour Dieselの生みの親とも言えるThe Weaselを含め、周りの栽培者が次々と撤退していくにも関わらず、マレーだけは栽培を続けました。そして新人ディーラーの店舗の立ち上げを指導することにより、AJ Sour Dieselの実質的なフランチャイズ化にも成功しました。しかし、そんなマレーでも2011年、38歳の時には作業のマンネリ化と捕まれてしまう恐怖でカンナビスを後にすることになります。
そして今は
アメリカのほとんどの州では薬物関連の重罪の前科を持つ者が合法カンナビス業界に入ることを禁止している中、ニューヨーク州はむしろそういった人物のためにライセンスを用意してする方針になっています。ホクル知事によると、これは「過去の間違いを正す」ためとのこと。
マレーは2017年に申請した園芸用品の商標を持ち、今回Flowerhouseとのライセンスで業界復帰を図っている。新・Sour Dieselは11月から販売開始したにもかかわらず、2023年の統計では小売業者では2位、州全体では売り上げで6位にランクイン。さらに種子会社のDesigner Genesを立ち上げ、自伝の執筆も始め、ニューヨーク市でのSour Dieselの起源についてのドキュメンタリーを制作しているマレーの今後の活躍には目が離せません。
マレーはこう振り返ります。「私がSour Dieselを作り上げたのではない。Sour Dieselが私という人物を作り上げたのだ。」
I didn’t invent Sour Diesel. Sour Diesel invented me.
Joe Murray
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