アメリカ、ブラックマーケットがいまだに増え続けているワケ

日本の方たちからすごくよく質問されるのが、今回の内容です。

「アメリカは、大麻がどこも合法になってきて、ブラックマーケット(違法で栽培したり、売買している人たち)の市場は減ってきてるんでしょうね」

そんなことないです!!!逆に、ブラックマーケットは加速しています。

娯楽用マリファナは、米国中で徐々に広く受け入れられるようになってきています。現在、大多数のアメリカ人が大麻を支持しており、連邦レベルで成人用大麻を合法化する複数の法案が進行中です。しかし、闇市場(ブラックマーケット市場)は消えていません。実際、マリファナが合法である一部の州では、逆にブラックマーケットが衰えを見せません。

カリフォルニア大麻諮問委員会は、州内で販売されている大麻の 80% が違法であると述べています。

マサチューセッツ州の分析会社は、人々が使用するマリファナの 90% が違法であると考えています。

オレゴン州南部は「違法なマリファナ栽培の中心地」と呼ばれています。

合法で作られたマリファナの価格は、一般の購入者にとって高額すぎるのです。合法で作られたものは、栽培から加工、薬局での販売まで、複数のレベルで課税されます。そして、それに加えて、州の売上税、地方自治体の売上税があります。その結果、合法的に売られているところ(ディスペンサリーなど)は、ブラックマーケットで取引されている価格よりも2倍以上高くなってしまっています。

特にカナダでは、「政府のマリファナ(合法に育てられたマリファナ)」の品質について多くの苦情が寄せられています。高いお金を払ってディスペンサリーから買う意味は何なのか、加えて、ディスペンサリーにあるマリファナは新鮮なもの(収穫直後)が少なく、古くなってしまっている。違法マリファナを購入することでトラブルに巻き込まれる可能性はあるにしろ、どうして質が悪くなったものを高いお金を出してディスペンサリー買わなくてはいけないのかと思っている人がたくさんいるのが現状です。

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ここからは、私(鳥井愛子)からの補足になります。

①マリファナ農家を合法で運営する”TOM”(仮名)が直面する問題。

まず、「合法的にマリファナを育てたい」となったとき、その農場の土地に属する街(カウンティと言う)からライセンスを取得しなくてはいけません。このライセンスを取得するのには、莫大なお金(トムの場合は五千万ほど)と、莫大な量の書類を用意しなくてはいけません。それでも半年後に、理由も聞かされないまま、却下になる場合もあります。ですので、このライセンスを取得しようとするだけでも一般の人にとっては冒険なのです。

ようやくライセンスが取れたトム、色々な税金を課せられながら、無事収穫までたどり着きました。年末くらいからライセンス取得を開始して、4月ごろに栽培開始、10月ごろに収穫と言う流れです。このあいだ、売るものはないので、収入は無し。大規模な農場ほど、土、肥料、水、そして色々な所でかかる税金、、、出費は重なるばかり。収穫したら早く売りたいのが本音な所です。

しかし、ディスペンサリーに売りにいくのも辛抱が必要。しっかりと合法で育てられたかの調査や検査が細かく入るのです。へたしたら実際に店頭に並ぶまで半年かかります。その間、新鮮だったマリファナはどんどん古くなっていき、お店に並ぶころには、質が落ち切ってしまっています。

合法で育てていても、収入が待ちきれないオーナーたちは、ディスペンサリーに売るよりも安価になってしまっても、細かい検査など必要がないブラックマーケットの人たちに売ってすぐさま現金化してしまうというのが現実です。

②合法で育てていて、さらにディスペンサリーも経営してしまえばいいじゃないかと言う”JOHN”(仮名)が抱える問題。

自分のディスペンサリーだったら、検査も早く終わって早くお金になりそう、と思っていたジョン。

しかし、ディスペンサリーをオープンさせる苦労も並大抵のことではなさそうなことは、簡単に想像できると思います。そして、やっと、オープンさせても存続させていくことが極めて難しいと言われています。なぜなら、マリファナに関する法律は常に変化しており、周りの環境にも左右されてしまうからです。

③トムは無事一年目を終えた。ジョンもディスペンサリーをやっとオープンできた。二年目、三年目は??

例えば、せっかくお金をかけて作り上げた農家やディスペンサリーの近くに、一年後、二年後に公園や遊歩道が出来るようになるらしい。これはどういうことか。地域によって規定は違いますが、マリファナが合法の州であっても、子供たちの近くではやめましょうという規定があります。例えば学校の近くだったり、子供たちが集まる公園などの近くにマリファナに関する施設を作るのは禁止されています。

こんな状況になってしまったら、退去しなくてはならないのです。そして別の場所を探してもう一度ライセンスを取り直さなくてはいけません。今までのライセンスは、地域も違ってくればなおさら、ほぼ継続することは不可能です。

④合法でやる大変さ

大手の企業は、裏情報もつかむことができ、勝ち残っていきます。独占状態になります。

小規模の企業は、まず、投資家を探すのにも苦労します。こんなに不安定な、保証も何もないマリファナ業界に投資をしたいと思う投資家があまりいないのが現状です。

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