薬物使用者の支援と安全な摂取環境:新設OPCからの報告

背景

2023年8月までの12ヶ月間のアメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)による暫定的な過剰摂取データによれば、約10万6000人の過剰摂取死亡が報告されています。この統計からも、過剰摂取防止センターの重要性が示されています。

2021年11月、ニューヨーク市

ニューヨークの非営利団体であるOnPoint NYCが、2軒の過剰摂取防止センター(OPC:Overdose Prevention Center)をニューヨーク市に開設。そして今回、一年度目データを基にしたベースラインレポートが発表されました。

OPCとは、違法薬物を使用し、医療ケアやサービスを受けることができる施設。訓練を受けたスタッフの監督のもとで薬物を使用できるセーフスペース。利用者は、無菌の使用器具、薬物にフェンタニルが混入していないかを確認するための道具、医療、カウンセリング、および薬物治療を含む健康や社会サービスへのアクセスが与えられます。

報告書の最重要ポイントは、適切なトレーニングと近接性が過剰摂取死亡や他の薬物使用に関連する健康リスクを防ぐ上で重要であるという結論です。データからは、OPCが毎年何百人もの命を救っていることがわかります。

報告書でわかったこと

  1. OPCを利用者数は2,841人、施設の利用回数は48,533回。
  2. スタッフはたった1年で636回介入し、過剰摂取死亡や他の関連する害を防いだ。
  3. 48,533回の訪問のうち、救急医療サービス(EMS)は23回のみで、救急対応者の負担が軽減された。
  4. オピオイドの過剰摂取のうち、83%が酸素化、興奮、および密なモニタリングなど、体に負担がかからない手法によって解決され、ナロキソンを必要としなかった。
  5. 5人に1人が住居、デトックス、治療、初期医療、または雇用支援への紹介を受けた。デトックスや入院中の薬物使用治療を希望する参加者は100%が外部の提供者と繋がりを持っていた。
  6. OPCの開設前、ワシントンハイツの対岸に位置する「ハイブリッジパーク」から毎月平均13,000本の注射器が回収されていたが、OPCの開設後の1ヶ月間、注射器の回収量は1,000本に減少した。

薬物を安全に摂取できる施設はすでにカナダやヨーロッパに存在し、誤って過剰摂取してしまう人々の命を救うための有益な方法と見なされています。また、こういった施設が薬物使用を助長するという反対の声もあります。

Source


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